第21章 ネクストステージ
ホテルに泊まることで決着したものの、今度はどうやって年齢を誤魔化すかという問題に悩まされた。
「うーん、とりあえず服は着替えるだろ?あとは……ホテルの受付って身分証いるんだっけ?」
「確認されることもあるらしい」
「もし年齢を偽って泊まったのがバレたら捕まっちゃう……?」
「大袈裟だな。悪くても罰金くらいで済むだろ」
「ば、罰金……!ほ、本当に誤魔化すしかないのかな?もっと正規の手続きはできないかな」
罰金、つまり法を犯すことに殊更敏感ななずなが渋る。
ちなみに虎杖と伏黒は他人に被害が出るものではないので、あまりその辺りは気にしていない。
もしバレたとしても非常事態なので仕方ないという感覚だった。
「正規の手続きって、例えば?」
「大人の人に協力してもらうとか……?」
虎杖の質問になずなは自信なく答える。
だが、直後に伏黒が冷静に返した。
「ただでさえ東京の呪霊祓除で術師は駆り出されてるし、補助監督と窓も渋谷で大勢殺されてるからな。手が足りないだろうし、こんなことで手を煩わせるのも気が引ける」
「そ、そうだよね、ごめん……」
「謝んな……ダメ元で伊地知さんに聞いてみて、何か手があれば協力してもらおう」
どうにもなずなの困り顔に弱い伏黒は折衷案を出し、早速伊地知に電話をかけた。