第21章 ネクストステージ
「……もしかして野宿?」
「いや……」
「わ、私は野宿でも別に平気だよ」
「ダメだ、危ねぇだろ」
伏黒は断固反対する。
仮に自分と虎杖の2人だけなら野宿でも気にならないが、なずながいるとなると話は別だ。
虎杖を信用してないとかではないが、赤の他人が来ないとも限らないし、色々と心配なのだ。
その心配をよそになずなは「大丈夫」と言い張るので、話し合いはいつまでも平行線になってしまう。
虎杖はというと伏黒の危惧していることが分からなくもないので、伏黒の肩を持った。
「あー……俺はちゃんとしたとこで寝たいかなー」
まあ、これは本音でもあるし。
何せ渋谷事変から1週間程、呪霊を警戒しながら無人の施設に寝泊まりしていたのだ。
脹相がいたとはいえ、そんな状況では落ち着いて休めなかった。
「あ、そうだよね、虎杖くん、ずっと外にいたんだもんね」
なずなもそれに気づいてきゅっと眉を寄せる。