第21章 ネクストステージ
「ダメだ、ここも動いてなさそう」
無人の駅を一通り調べ終わり、虎杖が肩を落とした。
秤が拠点にしているという栃木県の立体駐車場跡に向かうのにさすがに徒歩では無理ということで、電車やバスが動いているところを探している最中だ。
伏黒もネットから情報を探っているが、東京に蔓延る呪霊のせいで各交通機関が混乱しており、デマも流れていて正確な情報が取れていない。
仕方なく東京から少しずつ離れながら道中の折り返し運転できそうな駅を確認して回っているような状況だ。
しかも……
「また呪霊!あのアパートの向こうに複数いる……!」
なずなが警告して鬼切を構える。
先を急ぐというのに至るところで呪霊が襲ってくるのだ。
一般人を襲うと厄介なため、向かってくる呪霊は全部祓っている。
なずなが指したアパートから呪霊が顔を覗かせた。
だるまのようなずんぐりした体の高さが2階の窓くらいまである。
なかなか大型の呪霊だ。
その呪霊の足元に5本足の呪霊と頭と尻尾に目がある小さな呪霊がまとわりついていた。
小さく舌打ちした伏黒の隣で虎杖がいち早く駆け出す。
「伏黒、渡辺、サクッと片付けんぞ!」