第21章 ネクストステージ
それは完全自立型人工呪骸の製作方法。
パンダだけではない、天元の結界に守られているタケル達もそうやって作った。
「そうすることで初めて魂が安定して自我が芽生える。生後3ヶ月を過ぎたあたりで呪力の自己補完を始めます」
楽巌寺が目を見開く。
「何故、今更話した。何故もっと早く、何故生き延びなんだ……!」
もうこの傷では助からない。
それが分からぬはずないのに、何故もっと早く明かさなかったのだ。
「呪い……ですよ、楽巌寺学長。私からあなたへの呪いです」
パンダが夜蛾の気配を辿って駆けつけると、そこには動かない夜蛾と楽巌寺。
「まさみち……!」
楽巌寺が折れたギターを捨てて構えるが、パンダはその横を通り過ぎて真っ直ぐ夜蛾の元へ走り、その遺体を抱き上げた。
殺気はないので楽巌寺も構えを解く。
「何故戦わん、儂が憎くないのか」
「人間と一緒にすんな。パンダはそんなものに囚われん。アンタ、まさみちと仲悪くなかったもんな。どーせ上に命令されてやっただけだろ。俺にとっちゃアンタは落ちてるナイフみたいなもんさ」
「だがこれだけは覚えておけ。パンダだって泣くんだ」
唸るようなパンダの泣き声が辺りに響く。
楽巌寺は表情を変えないが、父親の死を悲しむ彼を無理やり引き離すことはしなかった。
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