第21章 ネクストステージ
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高専の地下牢―
バツンと音を立ててパンダを拘束していた縄が切り落とされた。
もちろんパンダが自分でやった訳ではない。
「……いいのか?日下部」
パンダの視線の先には担任の日下部。
ちょうど縄を断ち切った刀を鞘に納めている。
渋谷での任務の折、自分は虎杖の死刑には賛成だと言っていた。
立場としては保守派側のはずだ。
それなのにこの行いは……
案の定、日下部は苦い表情をしていた。
「俺が助けたって言うんじゃねーぞ。オマエが捕まってんのは夜蛾さんを誘い出すためだ。あの人には恩があんだよ」
オラッ、さっさと行け!と促がされ、パンダは急いで地下牢から出ていく。
こんなことだけでは到底夜蛾への恩には釣り合わない、と感じながら日下部はパンダの背中を見送った。