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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



「金次?」

「秤 金次、停学中の3年生だよ」

初めて聞く名前に疑問符を浮かべる虎杖に乙骨が答える。


「今はとにかく人手が足んねぇ、何が何でも駆り出せ」

「その人、強いの?」

「ムラっ気があるけど、ノッてる時は僕より強いよ」

「それはナイ」


自分より強いという乙骨の返答を真希はキッパリと否定する。



「それでその人は今どこにいんの?」

停学中ならば高専にはいないはずだ。
味方に引き入れるにも居場所が分からなければ動きようがない。


するとこれには天元が答えた。

「秤 金次は栃木県の立体駐車場跡地で賭け試合の胴元として金を稼いでいる」

「賭け試合……?」

一見、呪術とは縁遠い単語になずなが聞き返す。

「術師同士の殴り合いだ」

「あの、それってお客さんは……」

「基本的に非術師だな」

それに眉をひそめたのは伏黒だ。

「思いっきり呪術規定8条の“秘密”に抵触してるじゃないですか」

停学になって当然の行為。

秤がどのような性格の人物かにもよるが、協力を要請するにも骨が折れそうだ。


「賭け試合の参加者の中には呪詛師もいるだろう。用心して行きなさい」





黒幕である羂索の目的、死滅回游の仕組みも大体判明した。
方針も固まり、外での情報収集はこれが限界だろう。

あとは迅速な行動あるのみ。


護衛役を買って出た九十九と脹相を残し、面々が薨星宮を後にする。


「脹相!」


最後尾の虎杖が立ち止まって振り向いた。


「ありがとう、助かった」

「……死ぬなよ」


脹相は穏やかな表情で返事する。



片手を上げた虎杖を見送り、彼の姿がトンネルの向こうに消えた後、思わず目を押さえた。


「泣いてんの?」


目を丸くする九十九に野暮な質問は止せと言わんばかりにシッシッと手を振った。



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