第21章 ネクストステージ
「用が済んだらパンダ捜して回游の平定に協力する。憂太は?」
「僕は早速結界に入って回游に参加するよ。津美紀さんや伏黒君達が回游に参加する前に少しでも情報を集めたい」
「スンマセン」
「万が一身内で潰し合うことがないように……それから津美紀さんに何かあった時のために近場の結界は避けるね。また単独行動になっちゃうけど……」
単独の方が複数で動くより早く動けるし、乙骨であれば戦力的にも十分以上、危険も少ない。
「結界で電波が断たれるかもしれないから、しばらく連絡も取れないかも」
すると虎杖と乙骨が「あ」と何かに気づく。
―もし次、俺が宿儺と代わったら迷わず殺してくれ―
同じようにうーんと顎に手を当て考える2人。
頭に浮かんだのは、乙骨と虎杖が離れた状態で宿儺が現れた場合のことだ。
五条が不在の今、指15本分、実に4分の3の力を取り戻している宿儺を殺せるのは乙骨だけ。
もし近くに乙骨がいなければ宿儺にやりたい放題されてしまう。
そうなれば伏黒も危ない。
だが時間があまりない中、乙骨が単独で先に回游についての情報を集めた方が効率がいいのも確かで……
考え込む虎杖の胸を伏黒が叩いた。
「言ってる場合か、大丈夫だ。そん時は俺が死んだ後、しっかり殺してもらえ」
「いや、そうならないためにさぁ」
苦い顔をして渋る虎杖をスルーして伏黒は真希に視線を移す。
「先輩」
「あぁ、オマエらは予定通り金次のとこ行け」