第21章 ネクストステージ
6、泳者は自身に懸けられた点を除いた100得点を消費することで管理者と交渉し、死滅回游に総則を1つ追加できる。
「“追加”……か、既にあるルールを消すのはなしかな」
「ムム……」
「遠回しに否定ならいけるかもしれませんね」
7、管理者は死滅回游の永続に著しく障る場合を除き、前項によるルール追加を認めなければならない。
「これ、アリか?」
脹相が思わず呟く。
管理者が拒否した場合、希望したルールの追加はできない。
管理者に個人的な思想があるかは不明だが、こちらにとってはだいぶ不利な印象だ。
「だよなぁ、判断基準がアッチ任せ過ぎる」
真希も脹相に同意するが、天元は首を横に振った。
「いや、ある程度は公平な判断が見込めるはずだ。既に泳者にここまでの総則を強いているんだ。呪術的にこれ以上羂索に利益が偏ることはない」
ある程度とは言っても、わざわざ“死滅回游の永続に著しく障る場合を除き”と入っていることから、相当公平な判断が下されると見ていい。
8、参加または点取得後、19日以内に得点の変動が見られない場合、その泳者からは術式を剥奪する。
“得点の変動”
術師を殺せば5点、非術師なら1点……
他の変動要因は総則6のルール追加による100点消費。
ルールの追加自体には何もないが、そもそも100点獲るまで殺しを重ねなければならない。
「また……人を殺さなきゃいけないのか」
「……いや、いくつか考えがある」
表情が曇った虎杖に伏黒が答えた。