第21章 ネクストステージ
「ありがとう……」
即決した護衛役に天元は礼を述べ、もう一つの課題である五条の封印解除のための解決策を示した。
「これが五条悟の解放、そのために必要な獄門疆“裏”だ」
天元のすぐ傍に穴が現れ、そこに手を入れて何やら箱のような物を取り出す。
その黒い立方体には一つ縫い目がある。
「う、裏なんてあるんですか!?」
「初耳だね」
目を丸くするなずなと表層は冷静に、だが内心では驚く九十九。
“裏”が何なのかピンときてない虎杖は更に質問する。
「裏門ってこと?」
「そうなるね。羂索に見つかる前、獄門疆は私の結界の外……恐らく海外にあった。この裏門を封印することで表の気配を抑えていたんだが……」
それも無駄に終わってしまった。
「この裏門の中にも五条悟は封印されている」
「え、じゃあこれを開ければ!?」
「いや、あくまで開門の権限は表の所有者である羂索のものだ」
通常は裏門だけあっても何もできない。
「これをこじ開けるには、あらゆる術式を強制解除する“天逆鉾”、あらゆる術式効果を乱し相殺する“黒縄”、このどちらかが必要だ」
しかし、これらもまたすぐに用意できるものではなかった。
なぜならば……
「だが“天逆鉾”は12年前五条悟が海外に封印したか破壊してしまった」
「何してんの先生!」
「“黒縄”も去年五条悟が全て消してしまった」
「何してんだあの人は!」
思わずツッコミを入れる虎杖と伏黒に乙骨は苦笑を禁じ得ない。
「“黒縄”の残りは僕がアフリカでミゲルさんと探してたんだけど」
「それで海外に行ってたんですね」
「でもこれに関しては無駄足だったね」
ミゲルが知り合いのシャーマンを片端から当たってくれたが、どこも空振りだった。