第21章 ネクストステージ
「あれだ」
脹相が弟達の気配を辿り、指を差した先には黒い重厚な扉があった。
その前で立ち止まり、改めて扉を見つめる。
「間違いない。この先に弟達が眠っている」
脹相と虎杖が取っ手に手を掛けた。
「開けるぞ」
ギギギと音を立てて開いた重い扉の先には床も壁もなく、下から木の根のようなものが伸びていた。
2人の後ろから九十九が下を覗き込む。
「降りよう。奥に薨星宮へと続く昇降機があるんだ」
九十九が先導して下に降りると、屋内……のはずなのに何故か森が続いていた。
木々の間をを歩いていくと、やがてシャッターの閉じた大きな建物が見えてくる。
他に建物らしき物は見当たらないので、これが忌庫なのだろう。
脹相はその建物を見上げる。
そこから確かに弟達の気配がした。
「脹相」
「分かってる」
虎杖の催促に返事しつつもシャッターに手を当て、その奥に眠る彼らに呼びかける。
「後で迎えに来る。もう少し待っててくれ」
7人は忌庫の更に先にある森の奥へ進んでいく。