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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



直哉は確かに加茂家相伝の赤血操術を知っていた。
しかし、脹相の使う赤血操術を知らなかった。


これは150年、自らの術式と向き合い続けた脹相のオリジナル。


「超新星」


血の玉が弾け飛び、散弾のように直哉に襲いかかった。

この距離ではどう動いても避けることのできない面攻撃。
ほぼ正面からまともに食らった直哉は堪らず倒れる。


「悪いが、兄弟を愛せなかったオマエの気持ちは分からん」



倒れた直哉が起き上がらないことを確認した脹相が赤鱗躍動を解くと、その背後から乙骨が歩いてきていた。

動かない虎杖を掴み、引きずっている。


「なっ」


脹相が反応する間もなく、乙骨の重い拳を顔面に食らってしまう。


乙骨は一撃で気絶した脹相には目もくれず、倒れて呻く直哉を見下ろした。


「辛そうですね、直哉さん」


直哉は無傷の乙骨の、その昏い目をを睨む。

見下ろされていることが屈辱的だ。


悪態をつこうとするも猛烈な眩暈に襲われて、その場に嘔吐してしまう。


なんやこれ?
……毒!?

赤血操術にそんな効果が……!?


どんなに記憶を掘り起こしても該当するものはない。

だが、そこではたと思い当たる。
先程の戦闘での不可解なこと、いくら赤鱗躍動でドーピングできるといっても、そもそもの体内の血液量が減れば動けなくなるはず。

あの出血量でなぜあそこまで動けた?


……ちゃう、術式効果やない!

あの血液量、アイツ人間ちゃうかったんや、

受肉体か……!
人外の血が入って肉体がそれを拒絶しとんのや。



「治しましょうか?」

「!」

「僕の反転術式、他人も治せますよ」

そう言って左手に正のエネルギーの呪力を纏わせて見せる。



「その代わり、虎杖君の死はあなたの口から上に報告してください」



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