• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



乙骨が刀を構え直す。

「話は終わり」


その言葉を皮切りに凄まじいスピードで切り込んでくる。


丸腰の虎杖は避けるしかない。


交流会の時に東堂から聞いた、一流の術師ほど呪力の流れが読みづらいものだと。

アレは一流ほど呪力操作の精度が高いから、直前まで攻撃が予測できないという意味だ。


躱しきれずに刀の柄で目の真横を叩かれ、衝撃で視界が揺れる。



でもこの人は刀を含め、全身から常に呪力が立ち昇ってる。

動きを読む読まない以前の問題。
全ての攻撃が決定打になり得るし、全てのダメージを最小限に抑えられる。


まともに戦っても勝ち目はない。

だが虎杖にはまだ立ち止まるわけにはいかない理由があった。


―後は頼みます―

七海の最期の言葉が蘇る。

自分は託されたのだ。


「悪いけど、まだ死ぬわけにはいかねぇんだわ」



振り下ろされた刀を避けるとすぐに切り上げられ、頬を少し切られる。


まずはこの刀をなんとかしねーと!

自分の間合いに持ち込めない。


呪力で強化さえしてなければ、刃物をそこまで怖いと思ったことはない。

実際渋谷で戦ったオッサンのナイフは脅威でも何でもなかった。

でもこの人相手にそんなこと言ってたら、あっという間に膾にされちまう!


屋内は諦めて方向転換、ガードレールを飛び越えて四駆の窓へ飛び込む。

するとあるものが虎杖の目に入った。




乙骨が窓から出てきた虎杖目掛けて刀を振るうと硬質な音と感触。

いつの間にか虎杖の手にサバイバルナイフが握られていた。


ナイフ、どこから……!?

さっきまでは持ってる素振りはなかったはず。

周囲に視線を走らせ、目に留まったのは虎杖が一瞬だけ飛び込んだ車。


……あぁ、あの四駆か。
アウトドア用か、趣味のサバイバルナイフかな。
特殊な呪具じゃないなら怖がらなくていい。



/ 1091ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp