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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



一方、全速力で走り出した虎杖に乙骨はピタリとついてくる。

速い!
抜き身の刀を持ってこれかよ!!


驚愕する虎杖を追いながら、乙骨も瞠目していた。


速いな、走り出しで潰すつもりだったのに……



横転した乗用車を飛び越えた虎杖の着地点を狙い、先回りした乙骨が刀を振り抜く。

しかし、空を切った。


虎杖が窓枠を掴んで踏み止まり、乙骨の斬撃を躱したのだ。



「真希さんみたいだ」

絶対切ったと思ったのに……


反転して逃げる虎杖を追おうとすると、急に目の前が翳り、乙骨に何かがぶつかってきた。




乗用車を投げつけて乙骨の視線を切った虎杖は脇目も振らずに建物へ。


見通しのいい所じゃ、この人からは逃げ切れねぇ。
今の内に屋内に逃げ込む……!


しかし、入ろうとしたビルに車が降ってきて入口を塞がれる。


「げっ」


よく見るとさっき自分が投げた車だ。
足止めのためにぶつけたのに投げ返された。

乙骨はゆっくりとこちらに近づいてくる。


「驚いた?パワータイプに見えないもんね」


パワーがなくても、とてつもねぇ呪力量だ……!


「実際非力な方だしね」


確かに体格だけ見れば虎杖より細いのだが……


パワー不足を呪力強化で補ってる。
皆やってることだけど、この人がやると……


「俺と真逆だな」

「気づいた?五条先生より多いんだよ、呪力」

「!?」


今、なんつった!?

にわかに信じがたいことだが、乙骨から立ち昇る呪力量は確かにこれまで見たどの術師や呪霊より多いし、全く底知れない。


「でも先生には六眼があるから、術式を発動した時のロス呪力が限りなくゼロなんだ。パフォーマンスではやっぱり先生が一番だよ。僕に呪力切れはあっても、先生にはないしね」



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