• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第21章 ネクストステージ



「脹相こそいいのか?」

「俺は、オマエの弟も殺したんだぞ」


八十八橋で確かに殺した。
当初、脹相もそのことで虎杖に怒りをぶつけ、向かってきたはずなのに。


「いい、アレは事故だ。壊相も血塗も俺の立場なら同じようにしたはずだ……赦す、赦さないじゃない。兄弟とはそういうものだ」


脹相は自身の術式の影響で、血の繋がった弟達の異変はどんなに遠くにいようと感じ取れる。


“死”

それは生物にとって最期にして最大の異変。

虎杖との戦闘時、脹相は目の前で虎杖悠仁の“死”を強烈に感じた。

それは間違いなく、虎杖が脹相の弟であるということ。
そして兄である脹相は弟を守るために行動する。


脹相は呪霊の父と人間の母を持つ。
だがもう1人、その間に血を混ぜた者がいた。

それが加茂憲倫、今は夏油の姿をしている母を弄んだ憎むべき相手。



例え150年も歳が離れていようとも、加茂憲倫が身体を転々として生き永らえているならば、おかしな話ではない。

虎杖は加茂憲倫……今は夏油の中にいる術師の血縁なのだ。




虎杖は腰を上げて外へ足を向ける。


「……行こう。今はとにかく呪霊を減らさないと」




2人の狩人が動き出していることを彼らはまだ知らない。



/ 1091ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp