第21章 ネクストステージ
そしてもう一つ。
「夜蛾学長は既に総監部の手の内、こっちは私達ではもうどうしようもない。……ただ、即時死刑執行にはならないはずだ」
形だけとはいえ、五条や夏油を唆して渋谷事変を起こしたとしているのだから、それなりの聴取はされるだろう。
その人員も今は足りない状態だ。
まだ少し猶予はある。
その上でやらなければならないことを順序立てて示した。
まずは虎杖を探し出すこと、見つけたら高専に連れてくる。
それと同時並行で乙骨の説得も試みる、これは後輩である伏黒となずなが適任だろう。
もちろん虎杖を匿おうとしていることが上層部にバレるとまずいので、あくまで処刑対象の虎杖を捜索するという体だ。
加えて夏油が言い残した殺し合いについての情報収集。
これは九十九と九十九の仲間で行う。
高専の術師は東京に溢れた呪霊の対処に駆り出されるだろう。
その中でできる限り情報収集に努める。
一通り話し終わって、九十九は唇を噛んだ。
本当に総監部はロクなことをしない。
今は溢れた呪霊の祓除と夏油が言っていた殺し合いの情報収集、更に行方をくらませた夏油への対処のため、多くの人手が必要なのに。