第21章 ネクストステージ
「……なんだって!?」
新田から通達内容を聞いた九十九が思わず声を上げる。
他の面々は驚愕のあまり言葉も出ない。
総監部からの5つの通達、夏油の再死刑はまだ納得できる判断だったが、残りの4つは到底受け入れられないものだった。
五条の呪術界からの永久追放と封印解除禁止、夜蛾の死罪、虎杖の即時死刑執行とその執行人としての乙骨任命。
「五条先生は関係ないはずですよね?」
「ええ、アイツならそれこそ1人で日本中の人間を皆殺しにすることだってできる。わざわざ徒党を組んでこんな手の込んだことをする理由がないわ」
眉を寄せている伏黒に歌姫が答えた。
五条は交流会で内通者の調査を歌姫に依頼してきたのだ。
たとえそれがブラフだったとしても自ら望んで封印されるなんて考えられない。
「そ、それに夜蛾学長と虎杖くんの死刑なんて……」
「乙骨先輩が虎杖のことを追ってるなら、時間はねぇぞ」
特級呪術師の肩書きは伊達ではない。
もし虎杖が見つかれば抵抗しても、逃げようとしても確実に殺されるだろう。
「乙骨先輩を説得して虎杖くんの処刑を止めてもらえないかな……?」
「それよりまず虎杖を見つけて匿うのが先だろ。乙骨先輩以外にも虎杖を追ってくる奴はいるだろうし」
これからどう動くべきか、話し合いが紛糾しようかというところで九十九が手を叩いた。
「考えてる時間はない。虎杖君を本気で匿うつもりなら彼を海外に脱出させなければならないけど、今はそんなことはできない。なんとか乙骨君に諦めてもらうしかないね」