第21章 ネクストステージ
「あの、パンダ先輩と虎杖くんは……?それに日下部先生もいませんけど……」
渋谷で交戦中と聞いていた人の全てが戻ってきたわけではないことに不安に駆られたなずなが九十九に尋ねる。
「大丈夫、皆無事だよ。日下部とパンダ君は今回の件の聴取で呼び出された。虎杖君は……まぁあれだ、まだ呪霊を狩るって言って渋谷に残ってるよ」
「そ、そうですか……」
良かったとは言えなかったが、皆生きていることにひとまず安堵する。
ただ、虎杖が渋谷に残っていることは気がかりだった。
宿儺が109近辺を更地にして大勢を巻き込んだことについて、虎杖は罪の意識に苛まれているのではないか。
だからその罪滅ぼしで渋谷に残ったのではないか。
なずなが不安そうに伏黒を見ると、彼も同じ考えだったようで、眉を寄せていた。
思考を切り替えるように九十九がひとつ手を叩く。
「さぁ、今は時間が惜しい。高専に行こう」
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「夜蛾学長殿、我々と来てもらいます」
高専へ戻った面々を待っていたのは物々しい出迎えだった。
2人の術師が夜蛾を待ち構えていたのだ。
高専所属のその術師達は問答無用の強硬姿勢だ。
理由は不明だが、夜蛾を連行するということは総監部の命令か。
相手は2人なので抵抗できなくもないが、抵抗すれば今度はより大人数で来るのは明白。
そして何より今は時間がない。
夜蛾は抵抗することなく一歩前に出る。
「抵抗はしない。だが理由は聞かせてもらおう」
「じきに呪術総監部から通達が来ます。その時に分かる」
結局連行の理由も明かされぬまま、夜蛾は連れていかれてしまう。