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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



驚愕する2人をよそに乙骨もこれまでの動きを説明する。


「僕は溢れてきた呪霊を狩りつつ、一般の人達を渋谷の外まで避難させてたんだ。その最中に狗巻君を見つけて……応急処置はしたから命に別状はないと思う」

「あの一帯は宿儺が更地にしたそうです。今はもう虎杖が肉体の主導権を取り戻してて……」

「なるほどね、宿儺の仕業だったんだ」


乙骨の声が一段低くなったような気がして、なずなが不安げに割って入った。


「あ、あの虎杖くんは決して悪気があったわけじゃないと思うんです。きっと何かどうしようもないことがあって宿儺に身体を乗っ取られて、だから、その……!」

「分かってるよ」


乙骨はなずなを安心させるように笑ってみせた。







一通り情報共有が済んだ後、


「乙骨先輩はこの後どうしますか?」

「リカちゃんが戻り次第、パンダ君達を探すよ。まだ戦ってるなら加勢しなきゃだし。もし封印された五条先生がまだ連れ去られてなければ、取り返せるかもしれないし」


一般人の避難と呪霊祓除の方に人手が割かれているなら、乙骨は別働になった方が効率が良い。


「じゃあ俺達は引き続き、呪霊祓除と一般人の避難最優先で動きます」

「うん、2人とも気をつけてね。僕もできるだけ呪霊を祓いながら行くよ」



伏黒となずなを見送り、乙骨は道玄坂方面に足を向ける。




その眼差しには先程までの優しさは一切なく、ただ冷たい暗闇のみが宿っていた。



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