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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



少しだけ空気が重くなる。

こういう時、東堂のようにすぐに思考を切り替えられたらと思うが、新には一言で皆を切り替えさせるまではできない。


「自分と東堂さんはその後、上の階に行ってツギハギ呪霊と戦ってる東堂さんの弟と負傷した釘崎さんを見つけて……」


「ん?待つっス」

「と、東堂先輩の弟?」

「誰のことだ?」


さらりと訳の分からない人物が出てきたことに新田、なずな、伏黒の3人は唖然とする。

そんな3人の様子を見て新まで首を傾げてしまった。


「え、弟やないんですか?“ブラザー”って呼ばれてましたよ?」


虎杖だ……!!


交流会で東堂が虎杖といつの間にか親しくなっており、その果てに超親友(ブラザー)と呼んでいたことは周知の事実だったが、参加していなかった新はそれを知らなかったらしい。




彼に交流会での出来事を教えると、苦笑して頬を掻いた。


「通りで、似てへんなと思いました」



少しだけ力が抜けたのはほんのひと時。
新は真剣な表情に戻って続ける。


「自分達が見つけた時には既に釘崎さんはあの状態で……虎杖さんは完全に戦意喪失してたんですけど、東堂さんに励まされて戦闘再開してました」



新が確認できたのはここまで。


途中で野薔薇を連れて離脱したため、今の戦況がどうなっているかまでは分からないが、これ以上事態が悪化しないように祈るばかりだった。



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