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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



なずなの冷たい手を握ったところで、夜蛾に声をかけられる。


「渡辺の様子はどうだ?」

「……とりあえず大丈夫だそうです」

「オマエも今は休めよ」


そう言われ、軽く肩を叩かれる。

夜蛾であれば先程の質問に答えてくれるだろうか。



「あの、さっき運ばれたのは……?」

「……禪院特別一級術師と真希だ。オマエと渡辺が合流していたなら同じく禪院班も近くにいるだろうと思ってな、呪骸に探させていた」

「……酷いんですか?」


病院に搬送されたとなると、ここでは治療できない程の大怪我なのか。

陀艮が祓除された時には、直毘人こそ右腕を喰い千切られていたものの、2人とも動けていた。


眉を寄せた伏黒に夜蛾が包み隠さず答える。


「大火傷を負っていた。ここでできる限りを尽くしたが、助かるかは五分五分だ」

「……七海さんは?」



七海はここへ伊地知を運んでいるため、夜蛾も七海が禪院班の所へ向かったことは知っているはず。

にもかかわらず、夜蛾の口ぶりでは呪骸が探し出したのは直毘人と真希のみと取れる。


あの場で陀艮と戦っていた中で、唯一夜蛾の口から名前が出ていないだけに最悪の状況が頭をよぎった。




「七海は捜索中だ。少なくとも真希達が見つかった場所にはいなかった。あの場から離脱したのか、あるいは真希達に大火傷を負わせた呪霊と戦っているかもしれん」



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