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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第20章 10月31日 渋谷にて



同刻 JR渋谷駅 新南口(帳外)



東京校2年担任、一級術師の日下部 篤也はパンダを連れてガードレールに腰掛けた。


「高度な結界術に五条 悟を指名したこと。これは交流会を襲撃した連中と同一犯だ……上は被害を最小限に抑えるために五条単独での渋谷平定を決定したっちゅーワケだ」


今回の任務内容を大雑把に説明する。


「俺達と七海、禪院家のジジイ、それから冥冥だな。みーんな帳の外側で待機、五条のこぼれ球を拾うってことになる。帳に入っちまうと連絡つかねぇし」


その内容が不満なのか、ガードレールにもたれたパンダが口を尖らせた。


「被害を最小限って……術師の被害のことだよな?一般人の被害はお構いなしか?」

「そう突っかかんなよ。去年のクリスマスの百鬼夜行と違ってもう事が起こっちまってる。俺もこれが最善だと思う」


特に帳の内部で連絡が取れないというのは組織立って動くのに支障にしかならない。

五条であれば1人の方が好きに動けるだろうし、さすがにこれだけ大規模に一般人が巻き込まれているから、本人も真面目にやるだろう。


「それに、さっき帳の内側を見てきたが、平和なもんだったぜ。一般人がパニクっちゃいたが、呪霊や呪詛師が殺し回っているわけでもない。現状はただ一般人が閉じ込められてるだけだ」


一般人に被害が出ていないなら、下手に動いて敵を刺激する必要はない。

それが日下部の考えだった。


棒付きキャンディを咥えながら、帳が降りて間もなく一度偵察に入った時を思い出す。


「ただ、俺はもう中に入るのは正直ごめんだね」

「なんでだ?」

「アレはヒカリエかなぁ……おそらく地下に特級呪霊がゴロゴロいる」



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