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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第19章 一世一代





なんでこんなこと思うんだろう……?



続いてフラッシュバックしたのは、鯉ノ口峡谷の川辺で倒れて動かない彼の姿。


そして、五条から告げられた一級推薦の話。




等級が上がって危険な任務が増えるにつれ、生死に関わる事態も増えてくる。


そういったいざという時に皆を守れるようになるため、努力し続けて強くなろうとしている。


でも、自分がそういう事態に陥ったら?

もし伏黒くんが危険な時に自分が傍にいなかったら?





……―この感情を秘めたままにして本当に後悔しないか?








「……あの、伏黒くん」



一度口を開いたら、胸の内にずっと秘めていたことが拙いながらも溢れ出してくる。


「伏黒くんは、す、すごく優しくて、私は、何度も命を救われて……」


1度目は鬼切の呪いに寄せられた呪霊にお母さんを食べられかけた時、2度目は少年院で特級呪霊の生得領域に閉じ込められた時、3度目は梔子駅で線路に飛び込もうとした時―……



彼がいなかったら、きっと今ここに生きてはいなかった。




それだけじゃない。
高専の入学初日、迷子になった私を助けてくれた。

五条先生に言われ、初めて鬼切で呪霊を斬るとなった時、鬼切の脈動に戸惑っている私の側にいてくれた。

方向音痴な私が校内で迷わないように先輩達に相談してくれた。




私が呪詛師を殺した時、自分も同罪だと、呪ってくれて構わないと言ってくれた。




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