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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第18章 無垢なる贄と仮初の平穏と




「生贄の子供は先程村へ引き渡しました。呪霊を祓除したことで、今後生贄の儀式が不要となったことも伝え、概ね受け入れてもらえたようです」


なずなから離れた後、伏黒は伊地知に任務完了を伝え、その後処理を手伝っていた。

本来は補助監督に任せる仕事なのだが、手を動かしていないと彼女に対する黒い感情が噴出し続ける気がして、手伝いを申し出たのだ。



しかし、それも先程終わってしまった。



……今渡辺の顔を見たら、また何か言って傷つけてしまいそうだ。

渡辺も俺の顔なんて見たくないだろう。



「すみません、もう少し村の様子を確認してきます」


何かを堪えるようなその表情を伊地知が心配そうな顔で見ていることには気づかなかった。













伏黒が気がかりだったのは、無垢蕗村ではなく、“しゃれこうべ”が祀られていた祠。

中にあった“しゃれこうべ”は白稚児を祓ったと同時に粉々に砕けてなくなっているが、あそこまで生贄文化に執着する村人が『はい、そうですか』と簡単に引き下がるとは思えなかったからだ。



祠が見える位置で木立に隠れて待っていると、予想通り複数人の村人が祠へやってきた。


祠の前に何やら白い布に包まれた大きな塊を置き、その場に跪いている。



あれは何だ?

一体何をしているんだ?





少し経つと村人は立ち上がり、白い塊を置いて去っていった。


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