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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第18章 無垢なる贄と仮初の平穏と



「決して脅すつもりはありませんが、実は80年前、前回この任務に派遣された一級術師は呪霊の祓除に失敗しています」

「80年前……?任務は100年おきじゃないんですか?」


なずなが最初の説明との矛盾点を指摘すると、伊地知は苦々しい表情でうなずいた。


「儀式を重ねるごとに呪霊が強力になっています。生贄の要求頻度が100年よりも短くなっているんです」


前回の祓除失敗、儀式を経る度に強くなる呪霊。


これは気を引き締めてかからねばならない。



更に空気が締まったところで、野薔薇が質問する。


「前に担当した術師はその呪霊に殺されたの?」

「いえ、呪霊が生贄を取り込んで張り直した結界から弾き出されたことで、呪霊に手出しできなくなってしまったようです」


そうなると攻撃性の高い呪霊ではなさそうだ。
強力な結界術を使う分、攻撃力はそこまでない可能性もある。


いずれにせよ、呪霊が生贄を取り込んでしまったらアウトと考えていいだろう。


それらを踏まえて虎杖はあることを閃く。


「じゃあさ、生贄の人が呪霊に取り込まれないよう守りながら戦えばいいってこと?」

「もっと言えば、呪霊からなるべく生贄を引き離した方が俺達も戦いやすい。今回は4人だし、呪霊祓除班と生贄護衛班に分かれて動くのがいいと思う」


リスクを最小限にしつつ、自分達は最大限の能力を発揮できるように。



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