第18章 無垢なる贄と仮初の平穏と
極秘任務ということで呼び出された1年生4人は、呼び出した張本人である担任が居眠りしているのを見て、肩を落とした。
やはり適当なことを言っていたのか。
「五条先生、寝てるね……」
「人のこと呼び出しといて何なのよ!」
「先生も忙しいから疲れてんじゃない?」
機嫌が急降下していく野薔薇を虎杖がなだめる隣で伏黒が五条を起こすべく、声をかけ始めたのを見て、3人も続く。
数度声をかけてやっと目が覚めたのか、五条が身じろぎしてアイマスクから片目を覗かせた。
「おっ、起きた」
「お、おはようございます……?」
「呼びつけといて居眠りしないでくださいよ」
目を丸くしている虎杖と少し眉を八の字にしたなずな、口を尖らせている伏黒。
その横で野薔薇が五条に向かって指を差す。
「ちょっとその椅子、高いヤツでしょ」
私にも座らせろと言外に主張する野薔薇に五条は肩をすくめ、椅子から立ち上がった。
空いた椅子にすかさず座った野薔薇が「アンタも座っときなさい」となずなの腕を引っ張り、虎杖が次俺もと待っている。
それを眺めながら口元に笑みを浮かべている五条に伏黒は不審を募らせた。
「何笑ってんスか」
「別に?」