• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第4章 宿儺の器と鉄骨娘



救助した男の子を五条と伏黒が家まで送り届ける頃には夕方になっていた。

2人が戻るのを待つ間、野薔薇の機嫌は悪くなる一方だ。

「私、お腹減ると機嫌悪いの知ってた?」

「不機嫌じゃないときあるのか……」

「ごめんね、お菓子とか持ってればよかったんだけど……」

「そういう意味じゃないわよ」

呆れる虎杖と困り顔のなずな。



「お疲れサマンサ〜」

子供は送り届けたよと五条と伏黒が戻ってきた。

「今度こそメシ行こうか」

その言葉に虎杖と野薔薇が立ち上がる。

「ビフテキ!」

「シースー!」

「ステーキとお寿司……」

両方食べられるかなと悩むなずなをよそに五条はグッと親指を立てる。

「まっかせなさーい!……恵は?」

伏黒はスマホで店を検索していて、気づかない。

「じゃ、行こっか」

五条は伏黒を置いてスタスタと歩き出してしまう。









「あ、今日一番の収穫忘れてた……アンタ、私の荷物取ってきてよ」

「は?なんで俺が?貸し借りなしっつったろ」

廃ビルの呪霊を祓ったときに野薔薇は間違いなくそう言ったはずだ。


「私の呪力で勝てたのよ、文句ある?」

「釘崎だって俺の実力知らねーだろうが」

「ゲテモノ食い、あと馬鹿力」

「それだけじゃねーって!」


虎杖も野薔薇も譲らない。
その応酬に耐えきれなくなったのはなずなだった。

「あの、だったら、私が取りに行こうか?」

「絶対にやめろ。迷わずに帰ってこられないだろ」

「そんなぁ……」

だが、自分が積み重ねてきた前科もあるので、伏黒の言葉にぐうの音も出なかった。



/ 1120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp