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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第17章 断章 薄墨



記録

2007年9月
■■県■■市(旧■■村)


任務概要

村落内での神隠し、変死
その原因と思われる呪霊の祓除


・担当者(高専3年 夏油 傑)派遣から5日後、旧■■村の住民112名の死亡が確認される

・全て呪霊による被害と思われたが、残穢から夏油 傑の呪霊操術と断定

・夏油 傑は逃走
 呪術規定9条に基づき、呪詛師として処刑対象とする















「……は?」


夜蛾から夏油が担当した任務先で行方不明になったことを聞き、五条は理解が追いつかず、立ち尽くした。


「何度も言わせるな。傑が集落の人間を皆殺しにして行方をくらませた」

「聞こえてますよ。だから『は?』つったんだ」

「……傑の実家は既にもぬけの殻だった。ただ血痕と残穢から、おそらく両親も手にかけている」

「んなわけねぇだろ!!」

「悟」


夏油が任務先の村人や自身の両親を殺した。


五条と並んで問題児ではあったが、特に目下の者には面倒見の良かった教え子の突然の離反は全くの予想外であり、夜蛾も大きな衝撃を受けていた。



「俺も……何が何だか分からんのだ……」



右手で顔を覆い、力なく俯いた夜蛾に五条も何も言えなくなってしまう。





傑に一体何があったんだよ……!




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