• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第16章 断章 極彩



「……マジか」

「大マジ、元気、ピンピンだよ」


驚愕する甚爾に前髪を上げて額を見せた。

小刀で刺した場所は薄い傷痕を残して塞がっている。


「反転術式……!」

「正っ解!オマエに喉ブチ抜かれた時、反撃は諦めて反転術式に全神経を注いだ」


負のエネルギーである呪力同士を掛け合わせ、傷を治癒できる正のエネルギーを生み出すのが反転術式。

五条にはできた試しがなかったが、甚爾に殺される間際まで追い込まれ、呪力の核心を掴んだことで成功した。


「言うは易し。俺も今までできたことねーよ。周りで唯一できる奴は何言ってるかサッパリだしな」


どこか焦点が合っていない五条は甚爾を見ていない。


コイツ、ペラペラと……
ハイになってんのか……?



「オマエの敗因は、俺を首チョンパしなかったことと頭をブッ刺すのにあの呪具を使わなかったこと」

「……敗因?」


ズルリと天逆鉾を出す。

仕事は終わったが、もうひとつの目的が目の前にいるのだ。



「勝負はこれからだろ」

「あー?そうか?そうだな、そーかもなあ!!」


甚爾は足元のタイルが剥がれ飛ぶ程の力で踏み込み、再び五条を手にかけるべく天逆鉾を振り抜く。

それをひらりと避けた五条は空中へ。


反転術式によって生まれた正のエネルギーを自らに刻まれた無下限の術式に流し込む。


術式反転


―赫―


“蒼”の引き寄せる力とは真逆。

凄まじい力で甚爾は弾き飛ばされ、盤星教本部の建物に叩きつけられた。



/ 1120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp