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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第16章 断章 極彩



海水浴を楽しんだ4人は遅めの昼食に沖縄名物ソーキそばを食べ、五条がイタズラで理子の丼に唐辛子をこれでもかと振りかけ、理子も五条が買ったサーターアンダギーに仕返しとして唐辛子攻撃を仕掛ける。

そしてお約束のように、その直後に「食べ物で遊んではいけません」と黒井の雷が落ちた。



昼食の後は車で移動し、日本最大級の水槽を誇る水族館へ。


壁面いっぱいに広がる大きな水槽の中を悠然と泳ぐ巨大なジンベエザメに理子は目を奪われた。





ジェラートやタコライスといった人気のグルメを食べたり、パラセーリングに乗ったり、史跡を訪ねたり……



決して長い時間とは言えない中、これでもかと予定を詰め込み、理子は14年の人生の中でも一番の自由時間を過ごした。












翌日、護衛3日目(同化当日)
都立呪術高専 筵山(むしろやま)の麓


15:00―天内 理子の賞金取り下げから4時間


「皆、お疲れ様。高専の結界内だ」

「これでひと安心じゃな!」

「……ですね」


予想通り羽田から高専までは特に襲撃もなく、4人は無事に高専に到着した。



疲労のせいで普段より物静かになっている五条も安堵のため息が漏れた。


ガラにもなく目の下に隈を作った彼を夏油が労う。


「悟、本当にお疲れ」

「二度とごめんだ。ガキのお守りは」


2日間ぶっ続けで行使した術式を解く。





その背後に忍び寄る影には誰も気づかない。





静かに―

ひたすら静かに―


刀が五条の腹を貫いていた。





「っ……!?」



そこで初めて気づく―

自分の背後にいる黒髪の男―



「アンタ、どっかで会ったか?」


五条の額から冷や汗が流れる。


天内を狙う刺客か?

刺されるまで全く気配を感じなかった。

いや、それよりどうやって高専の結界を抜けたんだ?



疑問と戸惑いが五条の頭の中を廻る中、男は傷のある口角を少し上げた。


「気にすんな。俺も苦手だ、男の名前を覚えんのは」



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