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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第16章 断章 極彩



「高専各校、呪術界の拠点となる結界、多くの補助監督の結界術、それら全てが天元様によって強度を底上げしている。あの方の力添えがないと、防護や任務の消化すらままならない」

呪術界の危惧はそれだけではない。

「最悪の場合、天元様が人類の敵となる可能性もある。だから500年に一度“星漿体”という天元様と適合する人間と同化し、肉体の情報を書き換える。肉体が一新されれば、術式効果も振り出しに戻る。“進化”は起こらない」

「……成程、メタルグレイモンになる分にはいいけど、スカルグレイモンになると困る。だからコロモンからやり直すって話ね」


五条は合点がいったと相槌を打った。

ふざけているとしか思えない例えだが、意味としては間違ってはいないため、夏油は肩をすくめる。


「えぇ……まぁそれでいいや」



夜蛾が教壇に手をつき、任務の話に戻す。


「その星漿体の少女の所在が漏れてしまった。今、少女の命を狙っている輩は大きく分けて2つ!」


天元様の暴走による現呪術界の転覆を目論む呪詛師集団「Q」

天元様を信仰、崇拝する宗教団体・盤星教「時の器の会」



「天元様と星漿体の同化は2日後の満月。それまで少女を護衛し、天元様の下まで送り届けるのだ!」


五条と夏油の2人なら呪詛師集団も宗教団体も恐るるに足らない。

余裕すら浮かべている2人に夜蛾は最後の一押しをする。


「失敗すれば、その影響は一般社会にまで及ぶ。心してかかれ!」



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