• テキストサイズ

妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第16章 断章 極彩



「ガキんちょの護衛と抹消ォ?」

「そうだ」


五条が椅子を傾けて聞き返すと夜蛾は至って真面目にうなずく。


「ついにボケたか」

「春だしね、次期学長ってんで浮かれてるのさ」

ヒソヒソと、しかし夜蛾に聞こえる2人の話し声に夜蛾の頭には青筋が浮かぶ。



「……冗談はさておき、天元様の術式の初期化ですか?」

「冗談で済ますかどうかは俺が決めるからな」


そう釘を刺して夏油の質問にうなずく。


「何ソレ?」


夏油の隣で疑問符を浮かべた五条に、オマエは知ってるハズだろという視線が向けられる。

“天元様”という呪術師が高専の地下深くにいて、日本各地の結界の強化を担っているというのは知っているが、術式の初期化というのが分からない。


「なんだよ」

「天元様は“不死”の術式を持っているが、“不老”ではない。ただ老いる分には問題ないが、一定以上の老化を終えると、術式が肉体を創り変えようとする」

「ふむ?」

「“進化”、人ではなくなり、より高次の存在と成る」

「じゃあいいじゃん」


カックい〜と五条は能天気だ。

全く緊張感のない様子だが、それに構わず更に夜蛾は解説を続ける。


「天元様曰く、その段階の存在には“意志”というものがないらしい。天元様が天元様でなくなってしまう」


それが呪術界にとっては大きな痛手となる危険性があるのだ。



/ 1120ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp