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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第15章 恋する乙女は突然に



2名以上の一級術師から推挙された者は、現役の一級、または一級相当の術師と共に幾度か任務をこなす。

そこで適性有りと判断されれば、準一級へと昇級し、続いて単独での一級任務へアサインされる。

その任務の結果如何によって、正式に一級術師に成るか否かが決定する。










その日、東堂と冥冥は卓球に興じていた。

「虎杖は絶対に推薦を受ける。宿儺が協力的でない以上、“指”との遭遇率を上げるため任務の危険度も上げねばならんからな。これが何を意味するか、Ms.冥、分かるかな?」

「意味も何も、それが全てじゃないか、Mr.東堂」

東堂のサーブを冥冥が返球する。

東堂は冥冥の逆サイドに打ち返し、球は床へと落ちた。


「青い未来……つまりは東堂 葵と虎杖 悠仁が共に任務へと立ち向かう青い未来が存在しているということ!」

「……いや、」

「皆まで言うな。同行する一級術師が俺とは限らない、そう言いたいんだろう?だが、これは確信だ」

冥冥の否定を遮り、東堂はラケットを握り込んだ拳を突き上げる。

「もげた林檎が地に落ちるが如く!俺達は惹かれ合う!そう、正に運命、ディスティニー!!」


感極まっている東堂に対して冥冥は肩をすくめながら、非情な現実を詳らかにする。


「いやだから、被推薦者が同行するのは、推薦者以外の術師だ。虎杖君を推薦したのは私達だから、彼が同行するのは私達以外の術師だよ」


……なん、だと……

夢にまで見た超親友(ブラザー)との任務は実現不可能……?


あまりのことにフリーズする東堂。


そんな東堂を残し、冥冥はお疲れと言って卓球場を去っていった。



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