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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第14章 最強の教示



「……あ、でもフルオートで傷が治るのは便利だから、プラスの呪力で身体強化し続けられるようにしてね」

「五条先生!電話、鳴ってます……!」


もし緊急の任務の連絡だったら、と耐えきれなくなったなずなが口を挟み、五条はようやく電話を取った。


「チッ、今忙しいんだけど?……今度は出張任務?そんなの僕じゃなくてもいいでしょ。誰か他にいないの?七海とか……ハァ?七海は別任務?僕だって大事な生徒に稽古つけてる最中なの」

「わ、私、イメージはなんとなく掴めましたから、先生は任務を優先してください!」


五条に連絡が来るのなら、他の術師の手には負えない任務ということだ。
それを自分の稽古で妨げるなんて、申し訳なくてなずなにはとても耐えられない。


なずなの抗議を受け、五条は渋々といった様子で了承して電話を切った。



「今回はここまでだね。なるべく早めに君達を強くしたいんだけど、ホント残念」


五条だけでなく、なずなを含む1年生達の任務の兼ね合いがあるため、次の稽古がいつになるか分からない。

だが、五条は五条で生徒の特訓を急ぐ理由があった。


もうすぐ冥冥があることに動いてくれる頃合いなのだ。










同じ頃、京都では―


面会に来た冥冥と東堂が放った言葉に対し、楽巌寺は驚きを表情には出さず、淡々と告げた。


「特級は術師の格付けの中で斜めに外れた位置づけじゃ。一級こそ他の術師、延いては呪術界を牽引していく存在だと、儂は考えておる。危険・機密・俸給、準一級以下とは比べものにならん」


楽巌寺は目の前の2人を睨む。


「それを踏まえて、今なんと?」

一層低くなった楽巌寺の声や睨みにも怯まず、冥冥と東堂は先程と同じ言葉を繰り返した。


「禪院 真希、パンダ」

「伏黒 恵、釘崎 野薔薇、渡辺 なずな……そしてマイブラザー 虎杖 悠仁」

「以上6名を東堂 葵―」

「冥冥の名の下に―……」



「一級術師に推薦する」



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