第14章 最強の教示
また一段ギアを上げた五条に押され、ジリジリと防戦気味になっていく。
だが、そんな中でもなずなの頭は思考をやめていなかった。
鬼切の呪力を馴染ませる―……
そうすることで、五条先生の呪力を感知できるのなら、さっきは少し馴染んでいたということ……
伸びてきた拳に思考を遮られる。
それを受け流し、壁際に追い詰められないように注意して距離を取ろうとしたが、許さぬとばかりにすかさず追撃がくる。
考える時間も与えてくれないつもりだ……!
「……っ!?」
隙のない連撃をギリギリで凌いでいると、思わぬ方向から動きを阻まれた。
背後に迫っていた壁に気づかず、ぶつかったのだ。
さっきは注意できていたのに、先生の攻撃を捌くのに必死でいつの間にか意識から抜けてしまっていた。
後ろの逃げ場がなくなり、横に逃れようとした時にはもう遅く、五条に首根っこを掴まれる。
「しまっ……!」
「また捕まっちゃったね」
五条はなずながこの状況をどう打開するか楽しむかのように待っている。