第14章 最強の教示
懸命に頭を振り絞り、五条の連撃を凌ぎ、なずなも隙あらば攻撃を入れる。
そんな攻防が数分続き、左側から蹴りが来ると予測して身構えたが、思ったものは来ず、少し空気を揺らして五条の動きが止まった。
「やっぱ僕の攻撃読んでたね?」
その語尾を拾う前にピリリと鬼切から静電気のようなものが伝わり、直後、ガードしていなかった右肩を殴られた。
フェイント!?
なずなはたたらを踏みながらも体勢を立て直す。
油断した……!
今までの動きが五条先生の本気な訳がない。
私に合わせているだけで、まだまだ余裕がある。
対してこちらは今までも精一杯だというのに、これまでにない動きまで予想しながら戦うのは正直厳しい。
「さて、どうする?僕にはもっと攻撃手段があるよ?」
なずなの焦りを見抜いたかのような五条の挑発的な言葉が刺さる。
落ち着いて、まだやりようはあるはず。
さっき本当になんとなくではあるけど、五条先生の呪力を鬼切が教えてくれた気がする。
先程の状況を整理する。
左側からの攻撃に備えてガードしていて、でも読みが外れて、右肩を殴られる直前に鬼切が少しだけ震えた。
その時の呪力の流れ方はどうだった……?