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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第14章 最強の教示



「―……」


真っ暗な中、誰かの声がした。

なんだか頭がぼんやりしていて、何を言っているか分からない。


私、何してたんだっけ……?


「……?……てき…………殺さ……?」


わずかに聞こえた音を拾う。

敵……?
殺す……?


何が起こっているか分からなかったが、身体のあちこちが痛い。


……今は危ない状況なの?



それに首の後ろ……何かに掴まれている?


嫌だ、殺されたくない。
私が死んだら、伏黒くんや野薔薇ちゃん、虎杖くんを傷つけてしまう。



そんなのは嫌だ……!



暗闇の中、なずなは拘束から逃れようと腕を振り上げていた。









「気絶しちゃダメだろ〜?もし僕が敵だったら殺されちゃうよ?」

「……」


なずなは気を失ったまま、反応がない。



……これは硝子のとこに連れてくしかないかな。
連れて行ったらドヤされるかな、僕。

恵の稽古の時もデコピンしたら血が出ちゃって、硝子から暴力教師呼ばわりだったもんな。



仕方ないと若干肩を落とした五条が、なずなを抱え上げようと彼女の頬を叩いていた手を伸ばす―……



と同時に聞こえた空を切る音。




音の方向に目を落とすと、五条の腕の下で無限に阻まれた鬼切が止まっていた。
生半可な峰打ちなどではなく、ちゃんと刃は腕の方を向いている。


五条の表情が嬉しさに綻ぶ。


「ふっ……あははっ」


やるじゃないか。

気を失ったと油断させておいての一撃。

実際、なずなはまだ覚醒しきっていない。
朦朧とした意識の中でも己を掴む腕を切り落とそうとしたのだ。


本気で来いとは言ったが、まさかこう来るとは思いもよらなかった。



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