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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第14章 最強の教示



なずなの纏う空気が少し変わった。


明らかに動きが変わり、五条の拳や蹴りを立て続けに避け始める。


思ったより飲み込みが早い。

全方位は警戒できないと割り切って、五条のいる方向にだけ意識を向けるという判断の早さも中々だ。

攻撃を避けるのは呪力を探る時間を確保するためかな。




左の裏拳、右の横拳と繰り出し、なずなが後退ったところを足払い。

最後の足払いは入りかけたが、すぐに手をついて転ぶ前に立て直した。


大振りだった動きも徐々に小さく、コンパクトにまとまってきている。
目隠し状態にも慣れてきたようだ。


満悦した五条はペースを上げ、単調な攻撃から連撃に切り替えていく。











「おっと、」

「っ!……かはっ」


打ち合いの最中、五条の蹴りがガラ空きだったなずなの脇腹に入ってしまった。

予想以上にきれいに入り、なずなは派手な音を立てて壁に叩きつけられる。

その衝撃でなずなの意識がフツリと途絶えた。







「あちゃー……」


倒れ込んで動かないなずなの前にしゃがみ、五条は頬を掻いた。


ちょっと打ちどころが悪かったかな……


なずなの襟首を掴んで引き揚げてもぐったりと項垂れているので、その頬をペチペチと軽く叩く。



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