第4章 宿儺の器と鉄骨娘
「にしても1年がたった4人って少なすぎじゃね?」
「じゃあオマエ、今まで呪いが見えるなんて奴に会ったことあるか?」
「うーん……ないな」
「呪いが見える人ってそんなにいないからね」
見えた上で祓える人間となると、さらに少なくなる。
「っていうか、五条先生は俺が4人目って言ってたんだけど?」
3人目が6月になってもまだいないのはなんでだろうか。
なずなが入学した時は自分と伏黒の2人だけだったし、3人目の話は全然聞いたことがなかった。
しかし伏黒だけは聞いたことがあったようだ。
「入学は前々から決まってたらしいぞ。……こんな学校だし、何かしら事情があるんだろ」
8分ほど遅れて五条も原宿に到着した。
特に悪びれもせず、手を振っている。
「お待たせ〜……お、制服間に合ったんだね」
「おう、ピッタシ!でも伏黒と微妙に違うんだな。パーカー付いてるし」
虎杖が赤いパーカーのフード部分を摘む。
「制服は希望があればいじってもらえるからね」
学生数が少ない呪術高専ならではの特権だ。
しかし、心当たりのない虎杖は首を傾げる。
「俺、そんなの頼んでないけど?」
「そりゃ僕が勝手にカスタム頼んだんだもん」
ま、いっかと1人納得する虎杖を伏黒が注意した。
「気をつけろ。五条先生、こういうとこあるぞ」
……私の制服もそうだったのかな?
入学初日、サイズを教えた覚えがないのになぜかジャストサイズの制服が用意されていた違和感をなずなは思い出した。
「でも、なんで原宿集合なんですか?」
「本人がここがいいって」