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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第14章 最強の教示



「五条先生、八十八橋で特級呪霊や特級呪物の受肉体の兄弟を倒したのは、伏黒くんや虎杖くん、野薔薇ちゃんです」



「……私は何もできなかった」


改めて口にすると、一層自分の無力さを感じ、五条を見ていた目線は床へと落ちる。


「そんなことないんじゃない?あの時、敵の術式を受けてなかったなずなが割り込まなければ、野薔薇は死んでたかもしれない」


「でも決定打はあの2人です。2人が攻撃したとき、黒い呪力が見えました。すごい威力が出てた。伏黒くんも特級呪霊を1人で祓ってる……私、このままだと足手まといです。私はどうしたら強くなれますか?」


焦りを吐露したなずなに五条は少し驚いたように口を小さくした後、すぐに口角を上げる。


よく見ているし、分析も的確だ。

彼女の術式の影響もあるだろうが、戦況や個人の動きを見る目はなかなかに育っている。

焦燥感が出ているのも悪くない。
呪術師は何をキッカケに成長するか分からないが、この焦りは確実になずなの成長の助けになる。



「悠仁や野薔薇が出した黒い呪力は“黒閃”っていう現象だ」

「黒閃……?」

「打撃とドンピシャで呪力がぶつかると出るんだけど……まぁ、詳しくは七海にでも聞いてよ」

「あの、七海さんって……?」


いかにも細かく聞きたそうな顔のなずなを片手を上げて制止し、五条は続ける。



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