第13章 八十八橋の呪詛
校内に入るとタバコを吸っている少年2人が目に入ってきた。
制服ではなさそうだが、外見年齢から考えるにこの学校の生徒だろう。
中学生ですでに喫煙。
思わずなずなの身体が強張った。
……もしかして、あまりガラの良くない学校だったりするのかな……?
少し緊張するなずなの隣で、野薔薇はいいものを見つけたといった様子で悪い笑みを浮かべ、そちらに駆けていく。
「分っかりやすいのがいるわね、ブン殴って更生させましょ!」
「な、なんで?」
「ちょ、野薔薇ちゃん、あんまり危ないことは……」
虎杖もなずなも不良少年達を嬉しそうに指差す野薔薇に戸惑う。
「あん?」
案の定、不良少年達はこちらに気づくとすぐにガンを飛ばしてきた。
が、しょせんは中学生のそれ。
特に意に介さず、虎杖もうん?と前に身体を傾ける。
すると、突然少年達の顔に驚きと焦りが表れた。
「ヒッ、お、お疲れ様ですっ!!」
ビシッと挨拶し、直角にお辞儀する様子になずなは目を丸くした。
一体どうしたのだろうか。
何やら最初に聞こえた息を呑む音も少し気になる。
怪訝そうにしているなずなをよそに、野薔薇も虎杖も少年達の態度が変わったのに気を良くしている。
「何よ、分かってるじゃない」
「オーラってヤツは隠しても滲み出るものだからな」
しかし、そんな2人も少年達の次の一言に固まった。
「卒業ぶりですね、伏黒さん」
……は?