第13章 八十八橋の呪詛
到着した家の前には喪服を着た人達が集まり、葬儀が行われていた。
まずは被害者達の共通の知人である森下という人物に話を聞こうと来てみたが、とてもそれどころではない雰囲気だ。
「お葬式、だよね……?」
想定外の事態になずなが呆然と呟いた。
「ここがその知人の家?」
「そう、なんスけど……」
野薔薇が確認するように尋ねるが、新田は言葉尻を濁し、4人を残して葬儀の詳細を確かめにいった。
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新田は4人を車に乗せ、再び走り出したが、その表情はやや消沈していた。
「これは参ったっス。他の3人と同じ死に方っス」
実家暮らしでオートロックではないものの、死亡したのは玄関の前。
しかも悪いことに、
「以前から1人で帰宅した際、鍵が開いているのにドアが開かないと他の家族に言ってたみたいっス」
マンションと一軒家の違いはあれど、殺される前の状況もこれまでの被害者と同じ。
車内が沈黙して少し経つと、次の目的地、浦見東中学校に到着した。
事務窓口で入校証を受け取り、5人は校舎の中へ入っていく。
「ご両親に伺ったんスけど、亡くなった3人との関係はよく知らないって……はぁ、唯一の手がかりが……」
「ドンマイ、この中学に何かあるって!」
肩を落とす新田を虎杖が励ます。
「そうだといいんスけど……とりあえず、先生にアポ取ったんで、お願いするっス」