第11章 いざ行かん、夢の国
TDLを満喫した日から数日経った頃、なずなはあることに頭を悩ませていた。
はぁ……
私、ちょっとおかしいのかな?
この頃、動悸と息切れがすることが多い。
皆でTDLに行った後くらい……いや、もっと前からかも……?
ふとした時にドキドキするし、顔が熱くて仕方なくなる。
目線を上げられなくなって、そういう時は、必ずどもってうまく話せなくなる。
それに、頭がボーッとすることも増えた気がする。
本日何度目か分からないため息をつき、こめかみに手を当てたなずなを見て、隣にいた野薔薇は眉を寄せた。
最近なずなの様子がおかしい。
授業の合間にため息。
食事中もため息。
先輩との手合わせが終わるとまたため息。
そして何より、いつもどこか上の空になっていることが多い。
……これは、何かあるわね。
なずなの様子が気にはなったものの、野薔薇にはやることがある。
今日はそのために彼女の様子を窺っていたのだから、ひとまずはそちら優先だ。
「なずな、これからちょっと時間ある?」