第11章 いざ行かん、夢の国
夕食はビュッフェ形式で、各自好きな料理を選んでくる。
これまでにワッフルやポップコーンを食べ、早めの夕食ということもあり、先に料理を取ってきた女子2人は控えめな量だ。
対して男子2人は……
「虎杖オマエ、腹壊しても知らねぇぞ……」
「そういう伏黒だって結構取ってんじゃん」
1.5人前は下らないであろう量を盛り付けていた。
虎杖に至っては、どうやって盛り付けたのか分からないほど山盛りになっている。
「アンタ達、よくそんなに食べられるわね」
見てるだけでお腹いっぱいだわ、と野薔薇はげんなりだ。
野薔薇の隣ではなずなも呆気にとられている。
「でも今6時前だろ?この時間帯に夕飯だと、結構食っとかないと保たねーよ」
「結局、夜中に腹減って夜食する気がするけどな」
「……やっぱり?」
伏黒の言葉に虎杖は肩をすくめる。
「す、すごい食べるんだね……」
食べ盛りの男子の食欲は、野薔薇にもなずなにも想像がつかないレベルらしい。
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「なずな、また取ってきたの!?」
「す、座って落ち着いたら、なんだかお腹空いてきちゃって……」
一通り食べ終わり、デザートを取りに行ったのかと思ったら、なずなは皿におかずを盛って戻ってきた。
野薔薇はまさか2皿も食べるとは思っていなかったので、驚きと同時に呆れる。
しかし、食べた分が多いほど得をするのがビュッフェ形式だ。
夕食代の元が取れると考えればいい、野薔薇は頭を切り替える。
その間、虎杖と伏黒は大盛りの1皿目を食べきり、次も料理にするか、はたまたデザートを制覇するかと悩んでいた。
「……デザートも食べたいな」
「あぁもう、分かったわよ!アンタが意外と食べること失念してたわ」
2皿目もペロリと平らげたなずなは、モジモジしながら、野薔薇に伺いを立て、野薔薇の方はさらに呆れ返ったのだった。