第11章 いざ行かん、夢の国
予約のおかげですんなり昼食も済ませ、レストランから出た4人。
「ファストパスの時間まで少しあるよな。次どこ行く?」
先頭を歩く虎杖が振り返る。
ここまで実に順調に回れているので、チュロスやポップコーンを買って一服することもできるが、それほど空腹でもない。
少し悩みどころだ。
「どうかなさいましたか?」
そこへキャストのお姉さんが気さくに話しかけてくる。
「次どこに行こうかなって話してて……けっこうアトラクションも順調に乗れてるんですけど」
なずながマップを片手に答える。
「今まではどのアトラクションに乗られたんですか?」
「これとこれとこれ、あとここも……次のファストパスがこっちで……」
マップを見せながら、乗った順番まで正確に答えるなずな。
これにはキャストさんもびっくりだったようで、笑顔が驚き顔に変わった。
「す、すごいですね!もうそんなに乗ったんですか!」
しかし、さすがはプロといったところで、キャラクターと一緒に撮影できる写真スポットや各エリア限定のお菓子など、アトラクション以外のおすすめを教えてくれる。
夜のパレードの見どころまで教わり、キャストさんに笑顔で送り出され、4人は西部劇エリアに足を進めた。