第11章 いざ行かん、夢の国
「私、これにしよっかなー?」
いろいろなタイプのカチューシャを試着し、ヒロインの耳を模したカチューシャを買った野薔薇は早速頭につけている。
なずなは犬のキャラクターの耳がついたヘアバンドを購入、虎杖はカチューシャやら、グラスやら、いろいろ試していた。
頭がかじられたように見えるキャップまで試着して、野薔薇に笑われている。
「アンタ、パーカーばっか着てるから、これいいんじゃない?」
野薔薇がパーカーを広げて見せる。
「……それ、ここでしか着れなくない?」
普段使おうと思ったら部屋着くらいか。
だが、外出する度にわざわざ着替える習慣が虎杖にはない。
買ってもタンスの肥やしになってしまいそうだ。
虎杖が乗り気でないのを見て、野薔薇はすぐ興味の対象を色とりどりのグッズに移した。今度はパスケースを物色し始める。
3人が盛り上がっている中……
「俺はいい」
伏黒は渋い顔をしていた。
こういうのを身につけるタイプでないのは、自分が一番良く分かっている。
しかし、それが見逃されるわけもなかった。
「アンタね!TDLよ、夢の国よ!?これをつけなくちゃ、夢の国の住民になれないじゃない!!」
「別に住民になるつもりねぇし……」
「伏黒〜、ここまできたらノッちゃおうぜ。皆つけるんだし、照れなくても大丈夫だって」
虎杖まで援護射撃してくるため、伏黒の旗色が悪くなってくる。