第11章 いざ行かん、夢の国
あとは虎杖からの連絡を待つばかり、と思った矢先、なずなに着信が入る。
虎杖からだ。
『一通り回ったよ、今、西部劇エリアのとこ。どこで合流する?』
「私達はその隣のエリアにいるから……ハワイアンレストラン集合でどうかな?場所分かる?」
『えーっと……ちょうどエリアの境目あたりのとこね』
虎杖もマップを確認したらしく、二つ返事した。
なずなは電話を切って、伏黒と野薔薇に向き直る。
「というわけで、ハワイアンレストランに行くね」
そう言ってレストランがある方面を指差す。
それを見た伏黒と野薔薇は思わず手元のマップとなずなが指を差した方向を照らし合わせた。
ちょっと信じられないが、ちゃんと合っている。
「……ホントに地図分かってるわね」
「ああ、迷わないって言ったのにも信憑性が出てきたぞ」
「ま、まだ疑ってたの!?」
3人がハワイアンレストランに着くと、虎杖がすでに待っていた。
分かっていたことだが、やはり足が早い。
「虎杖くん、ファストパスありがとうね」
「おー、そっちもレストラン予約できた?」
「バッチリよ!」
虎杖に向けてグッと親指を立てる野薔薇。
「どこのファストパス取ったんだ?」
虎杖からパスポートをを受け取った伏黒が尋ねる。
「渡辺に印つけてもらった人気のトコは多分全部取れた」
これで朝やるべきことは一通り済んだ。
あとは目いっぱい楽しむだけ。
「虎杖くん、一番早い時間帯のファストパスはどこ?」
「イッチャン早いのは流星山脈だな、10:15から」
「じゃあ、未来宇宙エリアに向かった方がいいね、途中でアーケードも通るから耳も買ってく?」
「もちろん!」
野薔薇が入場直後に買いたいと言ったキャラクターの耳を象ったカチューシャ。
これをつけて写真を撮ることも野薔薇は楽しみにしていたのだ。