第3章 彼の心配の種
「おはよう、恵……あれ、なずなは?」
課外授業のため、今日は校門を集合場所にしていたが、なずなが見当たらない。
五条はいつも通り10分弱遅刻してきたので、時間通りに来たのは伏黒1人ということだ。
「五条先生も見てないってことですか」
伏黒はスマホを取り出す。
昨夜は迷子になったと電話があったが、今日は何もない。
途中で五条と合流しているのかと思って待っていたが、五条の様子からそうではなかったらしい。
「授業をサボるような子じゃないと思うんだけと……集合時間、間違えちゃったかな?」