第11章 いざ行かん、夢の国
なずなが高専に到着して食堂に入ると、すぐさま野薔薇が迫ってきた。
「なずな、TDL行くわよ!」
「え、えっと、いきなりどうしたの?」
あまりの勢いになずなは思わず後退ってしまう。
「渡辺、伏黒と同じこと言ってんなー」
野薔薇に壁際まで追い込まれ、タジタジになっているなずなを見て、虎杖が苦笑する。
後退ったなずなの手を掴んだ野薔薇は、そのまま虎杖と伏黒のいるテーブルに着く。
そこでようやくなずなはことの詳細を聞くことができた。
「交流会の打ち上げよ。1年4人で行くから、今から計画立てるのよ」
「び、びっくりした……そういうことだったんだね」
テーブルの上にはTDLのマップが広げられている。
呪術師はちょうど閑散期。
4人の休みを合わせることも可能だ。
まさにベストタイミングといったところだろう。
ウキウキ、わくわくしている野薔薇を見ていると、なんだか微笑ましくなり、なずなまで顔が綻ぶ。
「野薔薇ちゃんは初TDLなの?」
「べ、別に初めてじゃないわよ!」
……初めてなんだな
虎杖も伏黒も変に見栄を張っているのがバレバレな野薔薇に苦笑を漏らす。
そんな野薔薇の隣では、なぜかなずなが熱心にいろいろとアドバイスしていた。
「乗りたいアトラクションとか行きたい場所はある?事前にどういう順番で行くか決めておくのがいいよ」
「ここと、そこ。あとここでしょ、こっちも行きたいわね」
広げた園内マップに次々と丸をつけていく。
「あ、こことここは人気のアトラクションだから、ファストパスを取った方がいいかも」
野薔薇がつけた丸の上から、赤丸をつけるなずな。