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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第10章 東京・京都姉妹校交流会



翌日、両校の学長を含めた教員達と冥冥は高専内の一室に集まり、被害状況の報告を受けていた。


「……続いて人的被害です。二級術師3名、準一級術師1名、補助監督5名、忌庫番2名。高専に待機していた術師で、五条さんや夜蛾学長と別行動だった方達ですね」


伊地知の報告が続く。


「家入さんからの報告待ちですが、以前七海さんが遭遇した呪霊の仕業でほぼ間違いないかと」



魂に触れ、その形を変えることで、人間を異形に変える術式を使う特級呪霊。

五条は思わず舌打ちする。


人的な被害もそうだが、物的な被害も相当なものだった。

高専忌庫―特に危険な呪物を保管する蔵に侵入され、特級呪物・両面宿儺の指6本と同じく特級呪物である呪胎九相図の一番から三番を盗まれた。




「この件って、学生や他の術師と共有した方がいいですかね?」

歌姫の疑問に楽巌寺は否と答える。
夜蛾も楽巌寺と同じ考えらしく、その理由を話し始めた。

「上で留めておいてもらった方がいいだろう。呪詛師界隈に特級呪物流失の確信を与えたくない。……捕らえた呪詛師は何か吐いたか?」

「口が堅いわけではないのですが、まともじゃない、要領を得ない発言が多いです。ただ件の襲撃に関して、自分は取引の上、命令されてやったに過ぎないとのことで……」


尋問した時の呪詛師の様子を思い出して、伊地知はこめかみに手を当てる。



呪詛師曰く―

……―ハンガーラックを作りたかったんだ。それをあの坊主、名前は知らねぇ。男か女かも分かんねぇ白髪オカッパのガキだ―……


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