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妖刀使いの臆病呪術師【呪術廻戦】

第10章 東京・京都姉妹校交流会



「二度と三節棍なんて使わせないでください、扱いづらい!」

「慣れると便利……恵!?」

特級呪霊に游雲と黒刀の渾身の一撃を繰り出した後、真希が伏黒の腹部を見て瞠目した。

そこにはナハッと笑う呪いの芽。


“心臓を狙った一突き、素晴らしい反応です”


直後に真希の左肩に衝撃と痛みが走る。
鋭い木の根が左肩を貫通していた。


すぐに游雲で叩き折る。
致命傷ではないが、戦うには少々手痛い。


「真希さん!」

クソと伏黒は歯噛みする。

俺がしくじったせいだ……!



“術師というのは殊の外、情に厚いのですね。仲間が傷つく度、隙が生じる”

渾が襲いかかるが、呪霊に触れる前にパシャリと崩れた。


呪霊が渾に攻撃する様子は特になかった。
伏黒の術式が解けたのだ。


“もう呪術は使わない方がいい”

腹を押さえて膝をついた伏黒に呪霊が忠告する。

“あなたに打ち込んだ芽は呪力が大好物。術を使う程、肉体の奥深くへ根を伸ばす”

「御親切に!どうせ殺すつもりだろ」

“説明した方が効くのが早いらしい”


術式開示のことを言っているのか。
自身の術式を明かすと、弱点を晒すという縛りによって、その効果を底上げできる。


呪霊の明かした術式に嘘は無さそうだ。
種子を打ち込まれたのは、先程一撃加えた時だろう。
その時まだ渾を出していたため、根を伸ばされてしまった。


ここまでか……!


腹部から脈打つような激痛が伏黒を苛む。

だがここで意識を手放すわけにはいかない。












そこへ不意に小さな影が乱入してきた。


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